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Q&A「賃料の値下げ交渉について」

(分類:テナント賃貸)

兵庫県 40代 女性

- Q -

 ロードサイドの外食店舗に、20年契約で賃貸しています。店舗がオープンして7年経過していますが、先日テナントの担当者が賃料減額のお願いに来られました。実は、昨年も賃料減額に応じたばかりです。テナントが大変なことも理解できますが、最近は景気回復で、賃料も上昇傾向にあるというニュースも聞きます。どのように対応すればいいでしょうか?

- A -

 賃料交渉で大切なことは3点あります。
 ひとつは、賃料減額を求められた場合、テナントに減額の根拠を提出してもらうことです。売上げが下がったのなら、近くに競合店が進出した、新しい店長に変わったなど、原因の説明を求めることが大切です。テナントによっては、「全店一斉に10%の値下げ交渉をしている」というところもあります。このような場合、減額交渉を断っても問題は無く、逆に減額を受け入れても結局退店するケースもあります。
 2つ目は、賃料交渉が決裂しテナントが退店するとなった場合のことを具体的に想定した上で交渉に臨む、ということです。退店したあとの居抜き店舗をそのまま賃貸した場合、どのような業種に、いくらの賃料で貸すことができるのかを把握しておくことです。減額を断ってテナントが退店したが、次に貸したテナントの賃料はもっと低かった、という話もあります。
 3つ目は、普段から契約通り賃料協議をしておく、ということです。長期契約の場合、3年経過ごとに賃料協議をおこなう、という賃貸借契約が一般的です。たとえ、賃料の増減が無くても、「あと3年間、現状のままの賃料を継続する」といった覚書を交わしておくことが大事です。