記事一覧

Q&A「テナントから解約通知があった時の対応」

(分類:テナント賃貸)

大阪府 30代 女性

- Q -

 賃貸中の焼肉店から解約通知が送付されてきました。15年契約で、この焼肉店用に建物を新築して、約8年経ったところで、3か月後に明け渡すとのことです。改めて電話をすると書いていますが、初めてのことで、どのように対応していいかわかりません。 何か注意することなどはありますか?

- A -

 まず、返還すべき金額を確認しておくことです。契約時に敷金(保証金)や建設協力金を、いくら返還しなければならないのか契約書をチェックしてください。中途解約時期によって、返還金額が変動する場合があります。また、預り金に対して消費税は非課税ですが、敷引き等は課税対象となるので要注意です。また、未払い家賃等、敷金(保証金)から相殺すべき金額がないかも確認してください。
 次に、店舗の明け渡し状態の確認です。多くの場合、契約書では、テナントが持ち込んだものについては、テナントの費用で原状に復する、となっています。スケルトン状態にする、となっている場合もあります。ただし、後継テナントによっては、「空調、厨房、内装は、今の状態のまま残してもらった方が出店しやすい」いうテナントが最近特に増えてきています。つまり、退店テナントに現状回復してもらうか、そのまま退去してもらうかは、後継テナント次第ということになります。
 3つ目は、テナントが同等条件の後継テナントを紹介し契約が成立した場合には違約金を免除する、という特例の扱いについてです。私は、同等条件のテナントなら検討すべきだと思います。ただし、これからテナントを探す、という申し出には注意が必要です。なぜなら、質問者様がテナントを探せる期間は3ヶ月しかないからです。このような場合には、「具体的に紹介頂ければ検討するが、自分自身でも後継テナントを探す」という意思を伝えておくことが大切です。
 最後に、違約金の税法上の取り扱いについてです。特に新築の場合は、敷金や建設協力金の放棄(違約金)は多額になります。中途解約のリスクの軽減になることは間違いありませんが、違約金も家賃と同様に収入と見なされるので注意が必要です。一度、税理士の先生にご相談ください。