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家主様の立場から考える業種研究 【2】ガソリンスタンド

◆どんどん閉店しているガソリンスタンド
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 道路を車で走っていると、突然廃業や閉店しているガソリンスタンドを見かけます。地域によっては、ガソリンスタンドの空白地帯のような状況もあるようです。車離れ、エコカーの普及、ガソリンの価格競争、不景気の影響などが理由だと一般の方には考えられています。土地オーナー様の中にも、”ガソリンスタンドに土地を貸すのは不安だ”と考える方が少なくないようです。
 しかし、実は、ガソリンスタンドが廃業に追い込まれているのには、別の理由があるという事をご存知でしょうか?
 その理由とは、2011年2月に施行された「消防法の改正」と、「地下タンク環境保全対策緊急促進事業」にあります。
”40年以上前に埋められた燃料地下タンクの改修の義務化。”
”猶予期間は施行後2年間(2013年1月末)※2016年1月末まで延長。”
というものです。燃料地下タンクの改修は、規模によっては1000万円近くかかる場合もあり、経営者には大変な負担となります。さらに、燃料地下タンクの撤去費用には、国から3分の2の補助金があることもあり一気に廃業が進みました。

◆他のロードサイド店舗とは全く違う!?従来のガソリンスタンド
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 現在閉店しているガソリンスタンドは、40年以上経過した古いガソリンスタンドがほとんどです。一方、ロードサイド店舗に建設協力金方式(建て貸し)が登場して約35年、事業用定期借地が施行されて25年が経過しています。つまり、閉店している古いガソリンスタンドは、建て貸しではなく事業者自身が土地を取得し建築したものです。
 土地オーナー様の土地活用としてのロードサイド店舗と、従来のガソリンスタンドでは、出店方法が全く異なります。ですから、ガソリンスタンドが閉店すると、新しいテナントを誘致せずに、売却されるケースが多いのです。

◆最近のガソリンスタンド
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 閉店するガソリンスタンドが多い中、新しいガソリンスタンドも多くできています。
 最近のガソリンスタンドは、
”セルフ方式のガソリンスタンド。”
”土地オーナー様との契約は、販売店ではなく元売り業者。”
”主として事業用定期借地による契約。”
と、土地オーナー様にとってリスクの少ないテナントの一つと言えます。
 ガソリンスタンドがたくさん閉店しているのを見て、リスクの高いテナントというように考えられている土地オーナー様がおられますが、むしろ閉店分を補おうと出店意欲は旺盛です。また、”大手元売り会社との直接契約で、事業用定期借地契約”と安心の土地活用ができます。